発達障害とは
発達障害とは、何らかの先天的な要因により、乳幼児期から特性が現れ始める発達の遅れ(遅滞)を指します。病名も(診断基準も)様々ですが、広汎性発達障害(自閉症やアスペルガー症候群:自閉症スペクトラムとも)、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)、学習障害(LD)などがその代表例とされます。
注意すべきは二次障害
知能の遅れを伴わない発達障害(アスペルガーやADHD等)の場合、親も気づかず、大人になってから発見されるケースが多いそうです。そして多くの場合、本人には「周りの人と何か違う」という違和感はずっとあって、「何度言われても○○ができない」「意図せず相手を怒らせてばかり」「自分は間違った存在なのではないか」と何十年にもわたり感じ続けてきた結果、うつ病などの二次障害を発症することが非常に多いそうです。ある心療内科の先生の統計では、うつ病を合併する方が78%、不安障害36%、依存症44%。合併症なしはわずか4%というものもあります。
もしお子さんに発達障害の可能性を疑うなら、診断を受けておいたほうがいいと思います。わが子に「障害がある」という診断をくだされるのは辛いことと思いますが、放置することで本人がこの先何十年も苦しみ続けるリスクがあるからです。
正しく「知る」ことの大切さ
発達障害は先天的なものです。親御さんの育て方の問題では決してありません。脳のなかに生まれながらの素因があって、普通の人が当たり前にできることがなかなかできない(育ってきにくい)という症状です。発達障害を持つ親御さんは「あなたの育て方が悪いんじゃないの?」という目で見られることも多いと思いますが、それは違います(これも診断を受けることでよりはっきりします)。
また発達障害は環境次第で克服が可能です。最新の理論の1つとして、海馬回旋遅滞症というものがありますが、発見者の加藤先生は「14〜15歳までは緩やかに海馬回旋が進むので症状は改善する」「得意な部分を認め伸ばしてあげることで苦手を十分に補うことができる」とおっしゃっていますし、ちゃんと育った子はむしろ社会で活躍して成功しているケースが多いともおっしゃっていました。
【参考】>>海馬回旋遅滞症について
深刻にとらえすぎない
発達障害は先天的な素因により、脳の成長に偏りが出るということ。でも苦手と同時に得意も持っているし、その意味では障害というより個性です。ただ、他の人と違うために「なんでお前は・・・」と思われることが多く、本人が萎縮したり自己評価を下げてしまうことが問題の本質なのではないかと私は思います。「この子は変わってるけどまあ大丈夫でしょ」と親が思えていれば、診断などせずともすくすく育つのだろうと思います。
ただ、「この子は変わってるな」ということを親自身が受け容れやすくなるという意味でも、家の外で本人がいろいろ苦労するのをサポートしやすくなるという意味でも、一度専門の先生に診てもらっておいたほうがいいと思います。「そうか、脳の形がそもそも違うんだ」ということがわかった瞬間に、スっとその子のことを受け容れられたりすることがあります。以下のページでは発達障害の診断についてまとめています。具体的にどうすればいいか迷ったときのご参考になれば幸いです。
【CHECK】>>>発達障害の診断について