アスペルガーの長所

アスペルガーの人は他者の感情に気づくのが苦手で、場違いな言動や、相手を傷つけてしまう言動をとることがあります。コミュニケーションや社会性の部分で決定的な不得手があることは事実だと思います。

では得意な部分が無いのかというとNOで、たとえば机上の勉強などは得意であると言われます。でも私はもっともっと多くの長所があるように思います。たとえばアスペルガーの人は、考えていることと話していることが一致していることが多く、とても誠実だと感じます。相手を傷つけてやろうなどといった悪意や、自分だけが得をしようといった狡さも少ないように思います。

ただ、こちらの状況が「見えていない」ので、たとえばこちらがすごく忙しくしているときに平気で話しかけてきたりして、「もう、あとにしてよ!」と怒られたりします。でもそれは目が不自由な人がぶつかってきたときに「どこ見てんだよ!」と怒るのに似ているのかもしれないと思うことがあります。彼らはわがままなのではなくて、能力的な不得手があるだけなのですから。

そして単なる能力的な不得手なのに、上記のように怒られ続けてたら、どんな人でも辛く嫌な思いをするはずです。これが重なることで、多くのアスペルガーの人は自信を無くしていきますが、まれにとても心優しい人たちのなかで育ち、傷つかずに大人になった人もいます。この人は自分の意見をまっすぐに言いますし、仕事には実直に取り組み、約束も守る。ちょっと変わってはいますが、周囲が心洗われるような素敵な人です。この人を見ていると、これがちゃんと育った本来のアスペルガーなのかなと思うことがあります。

もっともっと世の中でアスペルガーをはじめとした自閉症スペクトラム障害への理解が進み、アスペルガーの人が持つ長所が花開くような社会になれたら、本当に素敵だと思います。

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2012/07/02 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:AS雑感