化学物質過敏症と遺伝子

前回記事「自閉症児とグルタチオン不活性」と合わせて読んでいただければと思いますが、今回は化学物質過敏症が遺伝子に関係しているという研究成果の紹介です。

化学物質過敏症患者は、CYP2D6とNAT2という2つの遺伝子に特徴があるそうです(トロント大学、マッケオンイエッセン、2004年)。

<以下要約>
CYP2D6遺伝子酵素は毒物の活性化又は不活性化に関与し、NAT2遺伝子酵素も解毒に関与する酵素。不活性なCYP2D6又は代謝速度が遅いNAT2の遺伝子をホモに持っている場合と比較して、活性の高いCYP2D6又はNAT2遺伝子をホモに持っている人は化学物質過敏症患者に多く見られた。また、有機リン系殺虫剤を解毒するパラオクソナーゼの活性の低い変異型である遺伝子も、化学物質過敏症患者が多く持っていた。
※以上、参考にさせていただきました:化学物質過敏性と遺伝的多形性

・過敏症患者は、毒物の活性や代謝に関する「遺伝子上の特徴」を持っている。
・自閉症児は毒物の代謝能力(グルタチオン活性)が低い。
・ある毒物は神経系統の発達に影響を及ぼす。
・自閉症は脳の海馬が胎児期に十分発達しなかったことにより起こる。

いずれも、点が線としてつながってくる感がある研究成果です。

このエントリーを含むはてなブックマーク Buzzurlにブックマーク livedoorクリップ Yahoo!ブックマークに登録

タグ

2012/06/26 | コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |

カテゴリー:化学物質と発達障害

トラックバック&コメント

コメントは受け付けていません。