アスペルガー症候群は心の病気ではありません

 アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム障害)は精神疾患ではありません。先天的に発達しづらい部位(機能)を持った、発達障害の1つです。脳の形状が一般の方と生まれつき違うことにより、「社会性の獲得」や「相互的なコミュニケーションを行う能力」の発達に困難を生じるという、先天的な障害です。

 こうした自閉症としての障害を持ちながら、読み書き等の知能については問題がないため、一見すると障害を持っているとはわかりません。そのため「わがままな子」「しつけができていない子」といったレッテルを貼られ、周囲から「なんであなたは・・・」と責められ続けるうちに自信を無くし、うつ病などを患うケースが多く、このことが「アスペルガー=精神疾患」という誤解を生んでいる側面もあると思います。アスペルガーであるがために、二次的に精神疾患を患ってしまったケースは「二次障害」と呼ばれます。

 またアスペルガー症候群はかつで「軽度自閉症」と呼ばれた時期もありましたが、そもそもの「自閉症」という和訳自体が、「心を閉ざし、殻に閉じこもってしまった病気」という印象を与えてしまうため、育て方や環境のせいでそうなってしまったかのような誤解を生んでいます。自閉症は心の病気ではありません。先天的な脳の特性が原因で生じる発達の偏りです。そして自閉症には知的障害を伴うものから伴わないものまで幅広い症状があり、そのうちの1つがアスペルガー症候群という位置づけです。(なお、「軽度自閉症」という言葉は、誤解を生む表現として現在は使用しないことがコンセンサスになっています)



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アスペルガー症候群と脳

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